第1回全国手をつなぐ育成会連合会全国大会・島根大会

第1回「全国手をつなぐ育成会連合会全国大会」(島根大会)・本人大会
第3回 手をつなぐ育成会中国四国大会・すまいる大会

 平成26年9月27日(土)、28日(日)の2日間、島根県松江市において、約2,100人を超える参加者を迎えて、晴天の下に開催された。

 

 本大会実施要項

第1日目 分科会
 要項掲載資料から

第一分科会 育つ・学ぶ

第二分科会 働く

第三分科会 暮らす

第四分科会 老いる

第五分科会 権利擁護

 本大会では、五つの分科会に分かれて、熱心な協議が行われた。本年の特徴として療育・教育の分科会参加者が多くなったこと。

 

 岡山県からは第五分科会に提案者として特定非営利活動法人「ゆずりはの会」理事長の佐藤恵美子が、重症心身障害児を対象とした成年後見を行うために法人を立ち上げ、現在までの活動状況について報告され、会場参加者からの関心を呼び、いろいろと質問を受けていた。

 第四分科会

 

 分科会の中で500人を超える最も多い参加者で全体会でも使用される大ホールで開催された。
 まず、基調講演として、全国手をつなぐ育成会連合会統括の田中正博氏から「どうする高齢化?」と題して約1時間半あまりに亘って総合支援法時代に求めら れる育成会の活動のあり方について、国の制度の面から、介護保険との関係、各地の先進的事例等も紹介しながら、説明が行われた。
 特に、印象に残ったのは、在宅障がい者の孤立死を防ぐためのショートステイと地域の自立支援協議会によるネットワーク。サービス利用計画、相談支援の充実、地域生活支援拠点などであった。
 午後から、3人の方による提案があった。

 

 最初は、「高齢になっても安心して暮らせる環境とは~あんしんコールセンターの実践~」と題して社会福祉法人みんなで生きる理事長片桐公彦氏から発表された。
 厚労省の研究委託を受けて、地域で暮らす障がい者の緊急対応ができるように、緊急支援センターを立ち上げ、在宅障がい者の緊急対応ができるよう相談体制、ショートステイ体制などを構築して対応を図ってきた実践を報告。
 上越市を中心にした実践が今では新潟県全域でセンターが設置され、活動しているとのことであった。
 コールセンターでやってみて思ったこととして三点が上げられていた。
・思い切り真夜中のコールというのは、あまりない。
・「いつでも相談できる」ということで、人は救われる。
・「やる」よるは「やらない」方がリスクが増す。
 あんしんコールセンーターに、住まいの機能、生活支援機能、レスパイト、緊急受け入れた体験機能などを併せ持った多機能型拠点センターにすることが肝要との提案があった。

 次に、「高齢知的障がい者への支援」と題して独立行政法人国立重度障害者支援施設のぞみの園の大村美保氏から発表があった。
 知的障がい者の認知症に対する対応と、介護保険と障害者総合支援法の福祉サービスとの関連、グループホームやショートステイり利用など、事例実践に基づいて現状と課題についての提案があった。

 3番目の提案として「生活の場、特別養護老人ホームふくらで豊かに看取る」というテーマで、看護師の金森暢子氏から提案があった。
 ここのホームでの実践は、高齢者中心の終末ケアの話が中心ではあったが、いずれ、知的障がい者も介護保険対象として、こうした終末支援施設の利用が迫ら れてつつある現状から見て、こうした心のこもった実線をする施設があることを知ることができたことは今後の参考になる事例であった。
 質疑と補足説明
・高齢化対策としては、市町村それぞれの実態に応じた対応が求められる。そのためは育成会の力が試される。
・グループホームにショートステイ機能を持たせた拠点センターが必要であろう。
・本人の実態をきちんと把握したサービス等利用計画の策定が重要である。そのためにも相談支援機能の充実が大切。
・建物の整備よりもこうした高齢化に対する機能を整備すること。
・第四期の障害福祉計画を各市町村で策定中であろうが、その中に障害者地域生活支援機能を盛り込んでいるか、育成会として注視すること。

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