第4回中国四国手をつなぐ育成会香川大会

第4回手をつなぐ育成会 中国・四国大会香川大会
第4回手をつなぐ育成会「すまいる大会」香川大会

 平成27年11月28日(土)~29日(日)に高松市において開催された。
 第1日は、一般大会が5分科会、本人大会が4分科会に分かれて実施された。

一般大会第1分科会「幸せに育ち学ぶ」 提案資料
 協議内容
・教育、医療、福祉の連携
・地域社会への参加
・家族支援の充実



 この分科会は、アルファあなぶき大ホール棟5階第1・2会議室において、13:00~16:00で約40人が参加して行われた。



 司会は、本県の津山地域連絡協議会副会長であり津山手をつなぐ親の会会長の二木幸子さんと高知県手をつなぐ育成会の野本明美さんにより始められた。

提案1 まず、津山地域連絡協議会会長の荒井幸治さんから、「学校教育・福祉の連携」と題して提案が行われた。
・津山市手をつなぐ育成会の生い立ちについて
・津山地域連絡協議会の発足とその目的、組織、活動内容、特に津山市内8中学校別特別支援学級ブロック交流会についてパワーポイントを使って説明。
・この連絡協議会か活動を始めることにより、地域親の会としての津山手をつなぐ親の会が結成され、本人の会「なかまあず」も作られ、活発なかつどうが行われるようになったこと。
・中学校ブロック交流会では、子供達の交流が行われている時間の並行して、親たちの懇談会が行われ、教育はもちろん、家庭療育や進路、福祉サービスなどの 相談を行いながら、また、互助制度や障害者のための警察、交通機関、関係団体への啓発と要望などの活動をしている育成会について理解を求めている。
・今後の課題として
 ・育成会と教育委員会の連携を深めていくこと。
 ・行政(福祉)サービスの啓発、特に教育関係者への啓発が必要
 ・保護者への啓発。福祉サービスについてわからないことがわからない保護者が多いので、時間をかけて丁寧に
 ・地域親の会への活性化と教育が終わった後には育成会への加入を
 ・本人たちにとって安心で生活しやすい支援とは何なのかをしっかり考えて活動したい。
質疑
Q1 教育機関自体が行政さービスを理解していないというのはどういうことか。
A1 福祉サービスのデイサービスなど、また、療育手帳のことを全く知らない。教員に啓発を
Q2 育成会と教育委員会との連携とわからないことがわからないということについて
A2 育成会が発足した時から事務局を教育委員会事務局が担当してもらい、育成会で集めた会費や愛の募金などの資金が特別支援学級の教育支援とブロック交流会などの活動費になっているなど、よく応援してもらっているので、津山の場合はスムースである。わからな いことがわからないということは、福祉サービスについて何があり、どうなるのかなど全くわからない。療育手帳をもらってもどうなるのかがわからない。この場合には、ショートステイが使えるよなど、ひとつひとつ丁寧に説明していくことが必要だと思っている。

 ここで、助言者である岡山県教育庁特別支援教育課指導主事の本井健太さんから。
・教育委員会と育成会が連携して活動している例は岡山県内でも少なく、全国的にも珍しいのではないか・
・今、インクルーシブと言われ、教育も地域もともに共生ゃ会を目指していくということで、全国へこの動きが推し進められている。
・津山の例は、それが先進的に10年前から進められている事例ではないかと思う。
・この津山のように県内にも広げていきたい。
・中学校ブロック交流会というものを設けて、保護者の方々のわからないことがわからないという様々のニーズに対して育成会のみなさんが自らの経験を生かして対応されていることが特徴的なことである。
・岡山県でもいろいろとインクルーシブ事業として研修会をしているが、育成会でされているような経験されている育成会のみなさんにも支援してもらいたいと思う。
・また、県として津山市の小学校へ障害児早期教育相談支援センター事業という国の事業を取り組んでいただいており、教育だけでなく、医療や福祉の機関と相談のコーディネーターしてもらっている。
・わからないことがわからないということについてであるが、今頃は相談機関も様々あり、どこに行けば良いのかと迷っていることもあるのでないかという思いもしている。そのあたりの相談機関の整理整頓をすることも行政の役割ではないかと思っている。
・就学から卒業後、社会に出て行くまで、きちんとして相談体制をシステム化する必要があると思っている。特別支援学級、支援学校、通常学級、通峡教室など いろいろな特別支援教育など多様な学びの場を提供するようにしている。これを活性化していくためにも、このブロック交流会が啓発してもらうのに良いと思 う。
・就労の場や福祉の場についてもこうした場で啓発、相談ができるのも良いことで、津山の取り組みはモデル事業として、県内にも広げていきたい。

 司会が代わり、高知県育成会の野本明美さんにより二人目の提案者を紹介する。
提案2 高知県の「ウイッシュかがみの」の保護者石田佳織さんから「子も親も支援者もそれぞれらしく健やかに入られる社会へ」と題して発表された。
・まず、家族の紹介。3人のお子さんがおられ、末っ子の男の子が自閉症。母子家庭でお母さんは看護師。
・幼稚園へ通園しだして先生から少し変ですとの指摘があり、参観。しかし、本人は全く先生や周りに関心はあるが、少し反応が遅い。親としては本人なりに頑張っていると思った。
・専門家の助けが必要ということで、療育センターの支援を受ける。センターから幼稚園にも出張してもらい、子供への対応の仕方についてレクチャーしてもらう。親もペアレントトレーニングを。園の先生も親も困難感が一気に軽減。
・ちょうど市でも「特別支援ファイル」に取り組んでおり、次男が第1号となる。
・就学してからは、校内に特別支援会議を設置してもらい、校長、コーディネーター、療育センター、保健師などが加わってもらい、次男の支援について具体的な取り組み方の検討をしてもらう。
・「いや」「嫌い」の意味とか、この笑い顔は困り笑いであるなどを理解してもらうことで、親がいない場でも安定することができた。
・不登校になることもあった。その時は、お風呂とか、寝る前のおしゃべりタイムなどで、聞き出し、学校の特別支援会議で協議し解決。
・学校外として放課後デイサービスの利用。これで、支援会議が二つになり、プロの方がいろいろと加わり、様々な支援があり助かる。
・高学年になり、いじめがきっかけでまた不登校になる。解決後も不登校が続き、全く登校しないので、不登校児童のためのフレンドルームに通う。
・思春期に入り、自分の感情をコントロールしたり、自分の感情をどのように表出すれば良いのか、良い方法があればと悩んでいる。
・母子家庭ということで、子供が病気になると仕事を休まねばならないということで、現在、三ヶ所の医療機関のパート。経済的にも苦しい。
・どうしても子供看病などで、仕事ができない場合の助成とか、付き添いの支援とかなどの助けあいの互助会のような制度を作っていただきたい。
・まとめとして
 ・プロとプロをつなげるような体制を作り、その中に親も入れて
 ・就学まであるが、就学後も続けて支援してくれるものに
 ・思春期への対応について指導してくれるところが欲しい。
 ・家族を支援するシステムと同時の支援者を支援するシステムも
Q1 支援学校の保護者であり、3人の子供の末っ子が自閉症。発表であった支援会議について、それを繋いでくれる人が大切のことだが、どのようにされたか。
A1 香美市ではちょうど次男が5歳の頃に特別支援教育に力を入れてくれるようになり、特別支援会議も県内では魁のもの。それの1号が次男であった。その中で、 私に読んで欲しい人がいるかと問われたので、思いつく専門家の名前を全部書いて呼んで欲しいと訴えた。会議の内容が面白く、参加した人たちが参考になった とものに。そのような支援会議を是非つ食ってもらってはどうでしょうか。

 助言者の「ウイッシュかがみの」支援部長の田中正哉さんから。
・幼児期、児童期の療育教育が大変であったという発表には、この分科会のみなさんが同感されたことであろう。
・発表で大事なところは、誰に出会うかによって大きく変わるとのこと。療育センターや学校の先生や福祉の人、その人たちがどれだけ耳を傾けてくれるか、そ して子供に情熱を注いでくれるかによってずいぶん子供さんに力になるでしょうし、家族にとっても安心感を与えるものになる。
・これと同時に親が障害のある子供だけでなく、兄弟も同様に養育へ心を砕いていくことの大切さを訴えていただいた。この中で、家族が一体となって助け合うことができ、こうしたことから互助、次女、公助であったりするのではないか。
・国の施策もこのような考えの元に総合支援方ができているが、どうしてもお金の面ばかりに目が向いているとか、福祉サービスが様々でわかりにくい、行政は説明しない上に申請主義で訴えないと対応しないので、自分たちで見つけていかなければならないという点が大きな問題。
・次男であるお子さんを私たちの事業所で放課後デイサービスのお世話をしている。その療育センターの職員が学校との間に入ることで、円滑に進むようになっ た。また、計画相談を行うようになり、みんなの人が協力して関わるように家族も安心して暮らせるようになり、以前と比べてよくなったと思う。
・まず、母親が海千山千で前向きに考え行動される、また立ち止まって考えるとか、支援者の立場に立ってその思いを慮りながら進むという姿勢も大変良いと思う。

司会者から二つの提案を含めて、意見交換を求められた。
・病気などで、仕事が手木ない時の生活資金などは、社会福祉協議会などでの生活資金貸出制度を利用しては。育成会で互助会があるが、家庭への支援や資金助成については今後の課題だ。
・ライフステージを見通して、一生支援してくれる相談者を見つけることが大切だと思う。自閉症の場合、思春期、成人になって発作を起こすことがあるので、定期的に診察が必要。
・香川県では、支援学級の担任者が60人ばかりいるが、そのうち20人が長期に担任している。残りは短い。障害のある子供達の担任は長期に担当してくれる人を
・津山でのネットワークづくりについて工夫したこととして、地域親の会と本人活動の支援を積極的に行ってことと福祉互助制度の利用を進めることで、育成会 への理解が深まり、会員が増えた。それと、就労だけでなく、家族関係の問題や種々の問題をネットワークにつながった専門家と関わることにより、解決が早く できるようになり、そうした活動することにより、ネットワークが強固になってきた。こうしたネットワークづくりをすることで、将来にわたって、安心安全な 暮らしができる地域になると思って活動している。
・本人が混乱した時にクールダウンできる場があれば良いのではと思っているが、それを理解してすぐに対応できる人が周りにいることが、社会に出て行く際に是非必要になる。そうしたことを支援してくれるグループとか支援者は現在のところ高知県にはない。
・岡山県の西支援学校ではアンダーマネージメントという取り組みがある。佐賀県のソレイユという療育機関があって感情の理解と表出のプムグラムの研修をしていることを聞いている。
・自閉症の思春期における対応プログラムについては、先だって東田直樹さんの講演が広島県であった。ご存知のように自閉症の心の内を明らかにした本が出版 され話題となったが、この東田さんは講演の中でも聴衆からの質問に対してきちんと聞き取り、文字盤をポインティングしながら回答していたように、自閉症で あってもなんらかの表出手段があれば、心のうちを訴えることができるのではと思う。絵カードであったり、仕草であったり、それを関わる人たちとともに探し 出すことが必要ではないか。
・岡山では、毎月親同士で話し合いをしている。自閉症の親同士の経験が役立つこともあるので、そのようなグループを作られてはどうか。
・萩の手をつなぐ育成会のものだが、以前支援学校に勤めていて早期退職し、福祉事業で教育をやりたくて自立訓練を主体に、言わば福祉事業型短期大学を目指 している。宿泊型。支援学校時代に留年はないのか、大学に行きたいなどの要望があった。全国では支援学校で専攻科を設置しているところがある。最近和歌山 県では教育の視点で自立訓練の作業所ができており、広島でも、また、岡山では4年前からできている。知的障害や発達障害の発達はゆっくりとしているので、 スキルを伸ばすというより、経験の幅を広げるという考えで行っている。言わば以前の生活単元学習を主体に行っている。来年は中四国大会は萩なので、是非来 ていただきたい。
 以上、主な協議内容のみ記す。終了の5分前となり、司会者から協議の終了を告げ、散会した。

他の一般分科会
第2分科会「幸せに生きる」  提案資料


第3分科会「幸せに暮らす」  提案資料


第4分科会「幸せに老いる」  提案資料

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