平成28年度岡山県知的障害者相談員協議会総会・研修会

平成28年度岡山県知的障害者相談員研修会並びに岡山県知的障害者相談員協議会総会

 午前10時、岡山県きらめきプラザ3階301会議室において、県下の知的障害者相談員約80人と県内市町村担当者14人が出席し、研修会と総会が開催された。

              平成28年度岡山県知的障害者相談員協議会研修会 

                                   平成28年6月13日(月)10:00~12:10
                                   岡山きらめきプラザ   301会議室

1 開  会          配布資料 

 岡山県知的障害者相談員協議会の澤田副会長の司会により開会された。

2 会長挨拶

 知的障害者相談員研修事業を受託している一般社団法人岡山県手をつなぐ育成会日下 功会長から、本日の研修会開催にあたり、県下各地から参加いただいた 相談員のみなさん、そして岡山県障害福祉課吉田総括参事を始め、各市町村担当者のみなさん、また、この後講演してくださる杉本先生にまず謝意を述べ、現 在、岡山県で取り組んでおられる愛サポート運動についての始めた経過とその内容について触れ、この運動への協力を訴え、本日の研修会が実り多いものになる ようお願いし、開会挨拶とされた。

3 来賓挨拶

 岡山県障害福祉課吉田総括参事さんから来賓挨拶として、本日の研修会が盛大に開催されることに祝し、また、平素、県下各地で知的障害者の福祉のために活 躍されている相談員のみなさんへの謝意を述べ、次に第三期障害者計画(だれもが輝く岡山スマイルプラン)を2月に策定して、障害者の自立、差別解消法の施 行、共生社会の実現、文化とスポーツによる生き生きと輝く障害者、愛サポート運動などについて説明された。

4 市町村担当者自己紹介

 本日、出席された市町村担当者のみなさんにより自己紹介をしていただいた。

5 講  話

 講話「虐待防止研修~性的虐待を中心に~」     
 講師 一般社団法人社会福祉会(旭川医療・療育センター支援主幹)  杉 本 明 生 氏 
・自己紹介と近年海外へ三ヶ月間研修視察された内容について、説明。
・虐待防止研修として、主に性的虐待を中心にパワーポイントの資料に沿って説明。
・虐待の定義~身体的虐待、心理的虐待、ネグレクト、性的虐待、経済的虐待
・性的虐待の定義について、障害者虐待防止法、岡山県障害者虐待防止マニュアル、児童虐待防止法の3点から説明。
・性的虐待の状況について、加害者(擁護者、施設従事者)、障害種別、児童に対するものなど
・刑法の強姦と強制わいせつの規定とその状況、岡山県の状況
・性暴力は身近に起こっているが顕在化しづらい特徴がある。
・性的虐待をどう捉えるか、性的虐待のサインについて
・虐待はいくつも絡み合っておき、ずっと続いてどんどん悪くなる傾向がある。
・虐待される側の心理の状況、虐待を潜在化させる「内的な障壁」がある。
・虐待は、個人と社会を蝕む。
・「性的虐待」の背景として、ジェンダーの問題、事業所・家庭で異性介助の問題、職場内でのコミュケーション->予防もこの柱で
・性的虐待を防ぐためには
 ・同性介助の原則の確認
 ・プライペートゾーン(水着を着用するときに隠れる場所)の意識化。同性介助でも、接触には配慮が必要
 ・「手つなぎ」は何のため?
 ・「空間」「距離」を尊重する。伝える。
 ・介助行為や声かけの意識化、職場でのふりかえり
・まとめに代えて
 ・「性」は「生」そのもの、かけがえのないその人を尊重する。
 ・障害のある人の「性」をタブー視しない。
 ・不健康な意識や空気が「性」を歪める。
 ・答えの見つからないこともある。けれど、考え続けることが重要
 ・性虐待にはチームで取り組む。

6 活動報告
 備前県民局管内(岡山市)  祐 森 章 代 相談員 急遽欠席のため、報告なし
 

美作県民局管内(真庭市)  牧 山 節 子 相談員
・相談員として家族会で参加している方はわかるが、参加されない方についてわからないので、名簿を持って戸別訪問をした。
・すると地区は違うのだが、兄弟で知的障害のある方がわかり、お宅に何度も足を運んだ。
・地元の小学校に行きたいが、支援学級がない。校長、教育長へお願いし、学級設置をしていただいた。
・就労されている方で、少し知的障害の疑いがあり、トラブルもあるということで会社から相談。
・家庭と話し合うが、これまで普通学級にいたし、手帳もないと言われる。
・通知表もなかったが、小学校時代の先生がおられて証明してもらい、精神科医の診断を受け、手帳取得。現在、GHに。
・金銭管理、生活も支援を受け、一般就労することができた。
・不登校と言われたが、18歳になって漢字も読めないという。よくよく調べると障害者であった。
・家庭でいろいろと問題もあったが、手帳をもらい、作業所へ通っている。
・すぐに家庭に行くのは抵抗があるので、真庭市では障害のある方の等級や住所を聞いて、手紙で書く。
・障害者の親同士でないと悩みを打ち明けられないし、話を聞いてもらえだけで少しは心がやすらぐので、聞き役として
・なかなか返事はない。返事があっても踏み込めない。
・子供が大きくなるの連れ、幼児、学童、生徒とそれぞれで同じことを何度も聞かれて辛かった。
・私も3人子供がおり、長女がダウン症である。
・長女について、あちこちで何度も聞かれて辛かった。
・それが北房では、一度登録されると、先生同士で連絡を取り合い、親にいちいち聞かなくても適切に対応。
・コスモスのサポートステーションで子供から成人になるまで、対応してもらっている。
・今、高齢の親への対応。困っていることがあれば、伝えたり、繋げたりしている。
・真庭市では広報誌で相談員の氏名、連絡先を毎年知らせている。
・時折、名前を名乗らず、電話での相談がある。子供本人であるが、対応している。
・私の子供は現在37歳であり、グループホームで暮らしている。
・月一回フリスビー(フライングディスク)に通っている。視覚障害や車椅子など三障害の人と楽しんでいる。
・私もそれに参加して支援ボランティアをしていて、いろいろと学ぶことが多い。
・して良い支援としてはいけない支援があること。ディスクを拾いに行くことも運動だと言われた。
・このボランティアで私自身元気をもらっている。
・親として本人との関わる良い機会となっている。

 備中県民局管内(高梁市) 弘 兼 裕 美 相談員(代読 石森明子相談員)
・弘兼相談員が体の不調で欠席。弘兼相談員のメモを代読された。
・高梁市相談員として、総会、研修会への参加と視察研修、それと市内の心的知的相談の研修に参加。
・視察研修について、市内のあるA型事業所、生活支援センター、児童発達支援事業を行っている事業所
・これの実態を理解し、相談に当たるようにしている。
・相談員としての活動の場が非常に少ない現状の中で、まとめてみた。
・親亡き後の行き末と、現在、親も子も高齢となって親が介護を受け、障害のある子供の世話が不可能。
・発達障害のある子供の相談、親自身が発達障害で育児が困難などの相談があった。
・高梁市には、A型が二箇所、B型が三箇所。ほとんどの施設が送迎付きではない。
・一箇所はあるが、ドアツードアでない。
・在宅で通所を利用したくでも重度の障害になるにつれ、親の送迎が不可欠となり、難しい。
・働く親御さんは尚更である。
・若い親はいろいろなサービスを利用しているが、高齢な親の場合は、それができない。
・市の方での相談でも50代、60代になり、障害のあることがわかったという事例がよくあるとのこと。
・相談員として活動したくても、田舎ということもあり、個人情報の取得も難しく、他からの情報を得ても家庭に入り込めない。
・児童のことについて、15年前に、それにもう一つ昨年支援する施設が開設されていて、市内の子供は結構利用している。
・それでもこのような施設が利用できず、困っていても誰にも言えず、困っている親もいると思われるが、その家庭へのコンタクトも困難。
・こういう困難の状況ではあるが、行政と連携して少しでもよくなるよう努力したい。

質疑
Q1 杉本先生の講演の中で性虐待の数値については如何か。
A1 このデータは国から出されたものであるので、どうこう言うことはできない。
Q2 牧山さんの報告で、広報誌への掲載について
A2 広報誌には毎年一回氏名と連絡先を掲載してもらっており、数は少ないが、時折連絡がある。定期的にかかっている。親が帰宅すると切れる。今、20
歳になっている。親に心配かけたくないと思い、電話をかけてくる。
Q3 杉本先生の話の中で、性的虐待について本人たちの学びの場を考えている。自分を守る方法と距離の取り方などについて研修を考えているが、指導してくださるところはないか、また、どう進めていけばよいか迷っている。本人たちへの研修などされているのだろう。
A3 障害者虐待発見チェックリストについて説明を落としていたので、これらを役立つものとして利用して欲しいし、虐待があったと思われたら、市町村へ通 報していただきたい。自分を守るということについてだが、入所施設にいて、先だって研修を受けて気づき、現在、療育園と支援学校とでどういう風に指導して いくか研究しているところである。地域生活の中で関係者で話し合いながら支援の在り方について進めていただけたらよいのではないかと思う。
Q4 牧山さんの報告で、なんども生育歴を聞かれたと言われ、現在は、コスモスサポートセンターできてよくなったとのことだが、県内で支援サポート「はぐくみ」がある。真庭市ではどのような取り組みをされているか。
A4 保育園や学校の先生からいくつものの問い合わせがあるとのこと。親や家庭からはあまりないのだが。問い合わせがあると、コスモスと支援学校退職され た方とがペアを組んで家庭を赴き相談に関わってもらっている。退職された先生には、距離に応じて真庭市から交通費が支出されている。相談に行った時、家庭 での困ってこと、何をしてもらいたいかをよく聞き取って遷喬小学校にある通級担当の先生と協議しながら、対応策を立て、学校や保育園での指導や療育につい ては、直接保育園や学校へ出向き協議しながら対処されている。そういうことから対応数が増え、コスモスも職員を一人増員。
Q5 杉本先生に、セルフネグレクトは障害者虐待防止法の定義に入っていないと思う。実際には、高梁市での報告にもあったように実際には引きこもりで見つかったという事例は多いと思う。実際のこのような取り組みをされているところはないか。
A5 具体的な例は持ち合わせていない。成年後見で3事例。認知症。グループホームへ向けた。本人の自己決定について難しい点があり困ったことがあった。
Q6 牧山さんの報告で、ある程度の年齢になって手帳を取得したという事例が増えているように思うが、そのような事例があれば教えて欲しい。
A6 あると答えた相談員。津山・荒井、玉野・森、新見・荒木、笠岡・原田

7 その他        なし

(昼  食)      12:00~12:45

8 情報交換会    12:45~13:50

702会議室 備前市、瀬戸内市、赤磐市、和気郡

703会議室 岡山市、玉野市、加賀郡

706会議室 倉敷市、総社市、都窪郡

302会議室 笠岡市、井原市、浅口市、浅口郡、小田郡

301会議室 高梁市、新見市

301会議室 津山市、真庭市、美作市、久米郡、苫田郡、勝田郡、真庭郡、英田郡

              平成28年度岡山県知的障害者相談員協議会総会

                                     平成28年6月13日(月)14:00~15:00
                                     岡山きらめきプラザ   301会議室

1 開  会
 澤田副会長により総会の開会がされた。

2 会長挨拶

 岡山県知的障害者相談員協議会高田会長から、平素の相談員として活躍に対して敬意を表するとともに午前中の研修会に引き続いての総会でお疲れですが、総会の運営にご協力をお願いしたいと述べ、開会挨拶とされた。

3 議  事
 議長選出  会則により、会長が議長に就任。
(1) 平成27年度岡山県手をつなぐ育成会との共済・参加等事業状況報告並びに収支決算報告について
(2) 監査報告について


笠原監事からの監査報告

(3) 平成28年度事業計画並びに予算について
(4) 育成会県大会(岡山大会)の第一分科会の運営について
(5) 平成28年度地区別研修会について
(6) その他
 議事について、高野事務局長から説明、岡野副会長からの補足説明と笠原監事からの監査報告があり、議長から質疑について問うがなく、
全会一致で承認。その他の議事はなし。

4 閉  会

 平松副会長から、午前中の研修会に引き続いての総会と大変お疲れでした。協議会をこれで終了する。相談員のみなさん、障害のある方に付き添って支援に努力していただきたいと述べ閉会挨拶とされた。