平成26年度地域連絡協議会会長副会長懇談会

 平成27年2月9日(月)岡山きらめきプラザ706会議室において、新見地域を除き、岡山、東備、勝英、津山、真庭、総社、井笠、高梁、倉敷からの参加があり、各地域の活動状況と問題点、今後の課題について話し合われた。

1 開会あいさつ

 岡山県手をつなぐ育成会徳田会長から、現在検討されている第四期障害福祉計画が県をはじめ各市町村でも意見聴取がされていると思う。これらはそれぞれの 地域の実態を踏まえたものになるので、各地域の組織活動が求められている。地域連絡協議会を結成して以来、八年ばかりになるが、活動がマンネリ化し低調と なっている。これからの育成会活動を活性化するためにも、活動を工夫しているところ、啓発されているなどの情報交換するためにも、こうした懇談会の開催を 専門委員会から求められていることから開催した。熱心な協議をお願いするとの挨拶により開会された。

2 協  議

 

 岡野副会長の司会により、それぞれの組織で活動してよかったこと、問題に思っていること等について協議を始めた。

真庭
・真庭の現状として連絡協議会が自立支援協議会とよく似ており、少し低調になっている。
・自立支援協議会の方が活動が活発であり、連絡協議会として活動ができていない。また、組織として個々への相談ができていない。
・真庭地域は、各支援学校や医療機関からも遠隔である。特に緊急医療機関というと国立病院まで行かねばならない。
・昨年度から、親の会への助成金で市の方は良いのだが、社会福祉協議会からの助成金がなくなるようだ。これまで助成金を交付されても剰余金が出れば返納を求められる。親の会として市の助成金と会費で運営しているがだんだん厳しくなる。
・3月の親子で食事会としてうどん大会をする計画にしている。その折に近況報告や情報交換するようにしている。
・9町村が合併しており、岡山へ二時間かかる。岡山も広く大変でだろうが、真庭は旧町村で6支部で構成して活動している。
・最近のことで、車いすの小学生のためにエレベーターの設置を要望したが、学校の耐震化との計画と相まってなかなか実現が難しかった。

岡山
・活動には資金がいるが、県育成会からこれまでの均等割から、活動状況により資金配分がされているが、十分でない。
・啓発として、警察、公共交通機関関係への要望を行っている。
・各地域で行政担当との話し合いを設定しようとすると、連絡協議会では相手にしてもらえず、地域親の会に窓口を開いており、頭越しに連絡協議会から交渉することはできず、また、連絡協議会については認知されていない。
・地域内の相談への対応も、特定計画相談など専門相談機関や知的相談員などが行っており、できにくい。
・話題としてはいつも高齢化と組織活性化で、マンネリ化している。
・新加入団体会員への登録は事務局で受けて理事会で承認となっており、地域連絡協議会を通して入会手続きをするべきではないか。
・岡山市育成会は、県内で一番大きく、歴史も長い。80代の親御さんもこれから育成会はどうするのかということもあり、障害幼児を抱えている親御さんもいる。
・地域親の会と地区連絡協議会とうまく連携しながらやっていきたいと思っている。
・地域親の会として福祉計画や各種委員会へもそれぞれの役員が参画してやっているがそれをどのように連絡協議会と繋げて行くかはちょっと疑問に思っている。

勝英
・平成24年から結成した。この地域には事業者があまりなかった。
・この連絡協議会結成により、組織化され、関係者との連携が深まり、行政へも働きかけができるようになった。
・地域の特性に活かしたきめ細かい活動がしやすくなった。
・先だってから市長と懇談会を開催し、何回か話し合い、我々の考えを理解してもらった。
・25年度からグループホームもでき、昨年は児童発達支援センターができた。この発達支援センターができたのも若い親達の活動であった。
・第四期の福祉計画のために知的障害者相談員を通してアンケートをとった。80件回答があった。一番は交通手段がないし、移動支援も使いにくい。相談窓口が分からない。事業所がわからないし、受け皿がないなどがあげられていた。
・第四期の福祉計画に検討においてもこれまでより一段検討するための段階を踏んでもらったので、少しは良くなるのではないかと思っている。
・埋もれている障害者が民生委員さんから上がってくることがチョコチョコある。また、面倒がったり、情報が伝わっていないこともある。手を差し伸べ、付き添ってあげたい。

井笠
・井笠地域は三市二町であるので、難しい面がある。
・自立支援協議会との兼ね合いで、そちらの方の部会の活動が活発となり、同じような部会があり、連絡協議会の方が低調になっている。
・高齢に介護保険対象となり、地域での見回りと言うことが最近よく言われるようになっている。特に過疎地域においては、高齢者の介護サービスは提供しても らえるが、障害者のサービスを介護サービス事業者でしてもらえないし、障害者の居宅サービス提供事業所が手一杯できないと言われる。民生委員や自治会が協 力的に支えてくださるが、どうしても居宅においておくことができず、入所させたいと思っても空きがない。相談支援事業所がショートステイでやむなくつない でくれたが、一月で2~3カ所を利用している。本人は何もいわないが、その子の思いを考えると、育成会としては、グループホームとか小規模入所がとても 必要だと思う。
・ 高齢障害者がいつまでグループホームに居住できるのか、病気になればどうなるか、費用もあまりないのでどうするかなど気がかりだ。民生委員や事業所などの 協力により自立支援協議会で支援を行っていくのだろうが、それぞれの地域の実情を踏まえて対応しなければと思っている。
・育成会が個々の地域の実情をしっかり把握する必要があるのではないか、それを市町村に訴えて行くことが大切である。こうした個々の育成会の問題を連絡協議会がまとめてそれを市町村に要望できるわけでもなく、個々の育成会がしっかり活動していくことが大切ではないか。
・これからは、ますます高齢化するので、介護保険についてしっかり勉強して行かねばと思うし、民生委員との連携も深めなければならないと思う。

津山
・津山では、民生委員に育成会の募金の協力をお願いしたり、先年の中国大会などのお手伝いをしてもらって、知的障害者や育成会の活動についてご理解をいただいた。
・過去は民生委員は高齢者の支援が中心だったが、障害者の支援にも力を入れてもらうようにお願いしている。
・先だって民生委員の会長から、募金や寄付のお願いをいっしょにするともっと協力できるのではないかとの提案をしてもらった。
・これまでこのような連絡協議会ができるまでは、育成会というものを知らなかった。現在就労支援事業所をするようになり、育成会が分かり、連絡協議会がで きた。これも理解ができなかったが、事業所を運営してみて、介護保険の関係、就労支援を行ってみて、親の会を作ってはと言われていたがなかなか難しい。 それより、高齢化した親への対応を緊急に対応しなくてはならない実態である。
・以前は四十万程度の補助金だったのが、現在六千円の二十五人分が毎月入金されるので責任の重さを痛感している。しかも、1人の本人に対して警察や民生委 員、医者、相談事業者など6人のみなさんが関わっていることでも分かるように現実は大変な状況である。そのうえ、肝心の相談事業者が情報や知識が皆無に等 しい状況。そうした子どもを10人抱えて毎日過ごすという大変情けない実態である。これを見張り、見守るの育成会であり、親である。
・事業所はどんどん大きくなってきている。若い人にとっても大きなビジネスチャンスと捉えている。そういうところに怖さを感じている。これを制御するところが必要ではないか。
・親の会を結成して7年目。育成会や連絡協議会に支えてもらって活動できている。親の会や本人の会の意向も尊重していただいて応援してもらっている。
・本人の活動もいろんな人と接することにより、だんだん活発になり、この15日は意見発表会を開催する。関係事業所の皆さんからも支援をいただくようになっている。

総社
・ここ5年ぐらいの就学指導委員会や障害者関係の活動をしてみて、知的障害者が少なくなっている。来年就学する障害児が百数十人いるが、知的障害児は3~5人と少なくなっている。
・27年度からの総社市の福祉計画を見てみると知的障害者は減少してきている。昭和50年代と比較して活動が低調になるのも仕方ないとも思える。
・本日の参加者を見ても専門委員が多くて、副会長さんの参加が少ないように思う。もっと大勢参加してもらいたい。
・総社市で民生委員の選考にも障害者関係として参画している。民生委員は地域活動に積極的してもらいたいと思っているが、1年2年で交替している実情がある。
・若い人たちが、会に加入することでいろいろと拘束されることを嫌がっていることを何とか打破しなければならないと思う。
・発達障害の親御さんも巻き込んで活動を行い、もっと五十年代のように高めていきたい。
・本人たちの雇用が進み、市の方に25人雇用してもらっている。
・これまでの補助金のやり方が変わり、地域への一括交付金方式になったので、我々の方への補助金も減少するだろう。

東備
・三市一町でやっているが、温度差がある。交替で担当しているので、来年度赤磐となるが、どの会合にも出てこないのでどうなるかと思っている。
・以前、学校部会だけしていたので、出席者も少なくなり、昨年から地域部会や施設部会を立ち上げた。初年度は多かったが、2年目になると少なくなり、施設 見学を兼ねて施設部会をしてみたら、親の会のみなさんが大勢参加してくれた。東備地域にたくさんは施設はないので、施設部会の継続を心配している。
・地域部会で、高齢者の問題を取り上げたところ、関心を呼んだが、二年目には参加者が少なくなった。市町村の温度差があることもあり、低調。
・連絡協議会の役割が十分理解されていなくて、その意義を薄らいでいるように思う。
・福祉計画について、親の会として参加し意見を述べ、現在パブリックコメントを求めている段階。自立支援協議会についても親の会も、子ども支援部会、就労支援部会と地域支援部会に参画している。
・子ども支援部会、就労支援部会は、目的が定まっているが、地域支援部会がどのような活動していったらよいのか、先が見えず、低調。模索している。
・警察には、瀬戸内署、備前署には要望している。

倉敷
・来年度から立ち上げたい。近々本人の会を立ち上げるための準備会を開催予定
・真備の親の会と児島親の会が脱会した。学校部会と倉敷学園も全て脱会した。
・6地区の親の会と4つに施設親の会、在宅部会で構成している。

高梁
・親の会の会長になってみて初めて連絡協議会や市との関係もわかってきた。
・連絡協議会などの必要性を私自身理解できていないので、十分理解して皆さんにお伝えできるようになれば作って行きたい。

その他の情報
・旭川荘に新たな医療センターが完工し、緊急の医療対応ができるようになった。

Q 地域連絡協議会について、どうも理解できないので、改めて説明してもらいたい。
A
・連絡協議会ができる前には、県育成会と地域育成会、地域親の会、施設親の会などが直接結びついていて、中央や県からの情報も総会などの機会でなければ伝わらなかった。
・県育成会から各単位の育成会や親の会へ直接のやり取りも団体数が多いだけに困難であった。
・それぞれの地域の問題も地域の実態にあったものであり、集約して要望すると地域によっては抜け落ちることもある。
・支援費制度から障害者自立支援法、総合支援法の制度が大変革時代でもあり、十分な周知を行うことと、地域の実態をつまびらかに把握するためにも各単位団体と育成会との間にこの地域連絡協議会を組織化する必要があると考えた。
・そこで、平成15年度から各地域に行き、地域懇談会を開催し、その地域の親の会、事業者、行政関係者などへ国や県の情報を伝達するとともに、各地域での 実態や取り組みについて情報交換を行った。そうする中で、定期的に地域での情報交換することによってそれぞれの取り組みの違い、良さや欠点などもわかり、 国や県の方針をいかに地域では具体化して市町村や関係機関へ働きかけるか等の具体的な取り組み方法がつかめるようになった。
・こうした懇談の場として、岡山県の以前あった8地方振興局単位で連絡協議会を結成しようということで、平成18年度末から組織化を行ってきた。
・今、障害者も親も高齢化しており、先ほどからもいろいろと意見が出ているが、先だって東備地域に参加してみて、高齢の親御さんがおいでになっておられ、居 宅サービスのことを聞いてみると障害者本人は受けているが、80代の親御さんが介護サービスを受けていないとお聞きし、歩行もだんだん不自由になっておら れる様子を見て親御さん自身が介護サービスを受けるように勧めた。これから障害者の居宅サービスと親の介護サービスの連携によって支えて行くことが必要だ と思う。そういうことから、介護関係の包括支援センターの協力も考える必要がある。
・育成会としてまた連絡協議会として障害者を抱えた家族全体の支援のあり方についてもその実態をつかみながら支援することも考えなくてはならない。
・若い人の問題について、各地域で若い人のミニグループでいろいろと話し合っているところが多いと思う。高田副会長の地元や新見でも若い人同士の話し合いが盛んに行われていると聞いている。そうした若い人のグループにも我々が関わる努力も必要ではないか。
・一方、なかなか育成会への参加ができない。仕事や高齢化、子どもの守などやむ得ない事情もあるだろう。出て来れない人に対しても何らかのつながりを付け る努力もしてはどうか。せとうち旭川荘親の会の佐々木さんが毎月親からの声を募ってそれを通信にして配っている。そうした取り組みよいと思う。そうそう効果 が上がるということも難しいだろうか、やり続けることが大切だろう。
・また、毎回参加数が少ないという話もあるが、少なくても定期的の話し合いを持つことが大切である。その中で、先ほどお話ししていた高齢化で困っているこ とが出てくることもある。そうした話し合いが支えになると言う気持ちがだんだんと口コミで伝わってくれば少しずつ参加する人も出てくるのではないか。
・その他の問題として、虐待防止法の実態が市町村や県からあまり伝わってこない。これから施行される差別解消法も市町村ごとで協議会が設置されるようになる。こうしたものの取り組みについて市町村としっかり協議して行く必要がある。

岡野副会長
・各地域からいろいろと意見が出たので参考にしていただきたい。
・県育成会からの補助金について、以前は各三万円であったが、各地域での取り組みに違いがあるので、活動により傾斜配分させてもらった。決算書を見るとほ ぼ充当できていたので、その通り本年度も配付させてもらった。まだ、不足のところがあれば積算や活動趣旨などの資料を添えて要望してもらいたい。
・新任会員の扱いについては、理事会での承認ということもあり、地域連絡協議会との関係については検討したい。
・各地域連絡協議会と県育成会との懇談会について、総会の場とか、地域や施設親の会の総会にでもご案内いただければ生の声を聞かせてもらいたいという趣旨で是非出席させていただきたい。