平成27年度岡山県知的障害者相談員協議会研修会・総会

平成27年度 岡山県知的障害者相談員研修会並びに岡山県知的障害者相談員協議会総会

 6月11日(木)午前10時から、岡山きらめきプラザ301会議室で、県下各地より知的障害者相談員83人と県市町村 担当者13人が出席し、研修会と総会が開催された。

 平成27年度岡山県知的障害者相談員協議会研修会

1 開  会  開催要項

 岡山県知的障害者相談員協議会の澤田副会長の司会で開会した。

2 開会挨拶

 まず、一般社団法人岡山県手をつなぐ育成会の日下 功会長より、県下各地から相談員の皆さんが多数ご出席いただいたお礼述べたことと、この度岡山県手をつ なぐ育成会会長に就任した挨拶と来賓の県鈴木課長や、本日の研修講師である社会福祉法人めやす箱の相談支援員である後藤 崇・近藤亜希子さんお二人にお礼を申し述べ開会挨拶とされた。

3 来賓挨拶

 岡山県保健福祉部障害福祉課の鈴木課長さんが、先だって来マスコミに取り上げられている下関市の障害者支援施設
での虐待事件を取り上げ、本県でも十分に 留意していることも、また、この4月から施行された第4期の障害福祉計画により地域移行をはじめ、障害福祉サービスの円滑な実施運営がされるように進めて いることなどをお話になり来賓挨拶とされた。

4 市町村担当者紹介

 本日ご多忙の中、ご出席いただいた12人の市町村担当者のみなさんに自己紹介をお願いした。

5 講  話

 演題「相談支援事業について」 講話資料
 講師 社会福祉法人めやす箱 相談支援事業所めやす箱
       相談支援専門員 後 藤   崇 氏
               近 藤 亜希子 氏
 講話内容
・相談支援事業所めやす箱について 職員 9人
・倉敷市の計画相談の内容
・倉敷市自立支援協議会について
・障害者の相談支援の現状
・相談事業所の現状 外来がほとんど
・地域移行と定着支援について
・障害児の相談支援について

6 活動報告

 備前県民局管内(玉野市)  近 藤 有加子 氏
・玉野市 4人の相談員によりかもめ作業所にて月当番を決めて午前10時から午後3時まで毎週相談を行っている。
・相談があまりなく、かもめ作業所の手伝い
・一昨年に先輩相談員の案内で玉野市内の事業所見学により理解することができ、相談に来られた人へ的確な相談に
・玉野市福祉政策課に総合支援連携室が設置され、老人、障害者、子供、生活困窮者への様々な問題解決を担当
・各担当部署で未解決な問題を関係課の調整を行い解決を図るもの。総合支援協議会。取りまとめ担当は保健師
・この総合支援協議会には、行政、事業所など関係機関も参加しているので、いろいろな問題で助かっている。
・この保健師さんと相談員が連絡を取り合い、担当課への紹介もしてもらえ、助かっている。
・関わったケースとして
 ・作業所に通所するダウン症の人。通所を親が反対するとか年金の問題を本人が訴える。家庭訪問するが拒否。
  保健師が母親の健康相談を兼ねてラポートを取りながら関わる。
 ・障害者と母の二人暮らし。母親が入院。本人一人暮らしを希望。関係者で見守り。
 ・発達障害者で仕事が続かない。手紙で行事などの案内を出して関わりを持つように。
・A型事業所通所している親から、相談窓口が3時まででは利用しにくいとの訴えがあり、月一回は市のセンターを
 借りて午後1時から午後5時に開くことで調整中。
 

 備中県民局管内(倉敷市)  白 石 正 勝 氏
・相談員をしながら、作業所を運営している。
・作業所通所生で55歳の男性の事例。真面目でおとなしく大変内気。
・母親は本人が15歳頃に離婚。姉もいるが所在不明。父親と二人暮らしであったが、父親も亡くなり一人暮らし
・本人は療育手帳B。二級の障害年金と作業所の工賃のみで生活。家の中はゴミ屋敷。電話もなし。
・最近食事も十分に摂らず、体調不良。とうとう体調を壊し病院で診察。十二指腸潰瘍といわれるが治療費もなし。
・相談支援事業所に関わってもらい、生活保護を申請し認定を受ける。
・電気、水道、ガスも復旧し、電話も取り付け緊急の連絡が取れるように。
・どこから聞きつけたか、A型事業所から度々勧誘がある。しかし、生活全般から諸々のことに対応してもらえるか。
・そうした点から、当作業所で金銭管理、生活全般について支援をこれからずっと継続して行うつもりである。

 美作県民局管内(美作市)  山 本 敏 子 氏
・相談員の活動状況と作東町親の会について報告したい。
・平成3年に作東町親の会設立。
・平成4年から相談員
・毎年4月後半に小学校2校と中学校1校を訪問し、親の会の説明と親の会懇談会出席を依頼。
・隔月一回、午後6時半から懇談会を開催。
・保護者12人、教師、保健師、相談支援センターなごみが出席 
・懇談会の内容として
 ・家庭や学校内の問題、進路、施設利用について
 ・アドバイザーとして行政や福祉関係者からの情報提供
 ・子供連れの参加も可能
 ・悩みは自分だけでなく、話すことで悩みが少しでも軽くなるような話し合いに
 ・会費は無料
 ・参加者は8~15人
 ・ここ1~2年の悩みとして教師の参加が少ない。夜間ということと先生が若くなったためか。
  それと最近は発達障害児が多くなり、幼稚園・学校とも多くの悩みを抱えている。
・相談事例
 ・アスペルガー、自閉症の小学生 
  ・担任の先生の対応が悪いと親が不満
  ・担任と親での話し合いが平行線
  ・保健師と支援センターの指導員に来校してもらい、授業参観後、話し合いアドバイスを
  ・その後、担任の対応が改善された。
 ・高機能障害と知的障害の女の子
  ・地元の小中学校、私立高校を卒業 
  ・現在、吉備高原リハビリテーションセンターへ入所
  ・小学校時代から現在まで、度々悩み解決のため学校と関係機関と話し合い解決へ
 ・アスペルガー、自閉症の男の子
  ・小中高まで保健室登校が多かったが、親と本人の努力で卒業。
  ・現在は、京都の通信制へ入学
 ・私自身は知的障害者の子供を持つ親であるため、発達障害については理解が十分でないので、
  現在、大原で活動している発達障害の親の会へ参加し勉強している。
 ・近年の障害福祉制度が目まぐるしい変わってきて、理解に苦しんでいるので、今後とも行政や専門機関のみなさんの指導を受けて参りたい。
 
 質疑応答
Q1 支援学校高等部卒業生が就労継続B型事業所へ移行するため、全てアセスメントを移行支援
事業所で受けねばならないが、公の機関でないところでのものでよいのか、それも2年間で受ける
というアセスメントの内容についてと、障害幼児が児童発達発達支援の事業所を利用しようとす
るとき、今までは直接事業所へ行けばよかったが、これからはケアプランを立てて事業所というと
時間がかかり過ぎるのでないか。
A1 支援学校から直接B型事業所への移行は本年がからできなくなり、倉敷では、就労アセスメ
ントを事業所の関係者だけでなく、就労についての専門家を入れて行い、移行に繋げていくこと
にしている。就業・生活支援センターが担当すべきではないのかという意見もあるが、就労支援
移行事業所がアセスメントをして行こうということで倉敷ではスタートしている。まだ、始めた
ばかりで、それぞれの事業所との調整などこれから行うところ。実際の稼働もこれから。
 幼児期のことであるが、言われる通り、親として時間がかかり手間がかかるばかりだという人
もたくさんいる。相談事業所を利用するのに待機させられている状況。事業所もスタッフも増や
していかねばと思うが、倉敷では、ケアプランありきではなく、即対応できる体制も残している。
利用できる事業所が少なく滞留している状態である。従って保育園、幼稚園への支援などサポー
トする体制を整えている。
Q2 地域での暮らしを支える定着支援についてセルフプランで受けられるのか、単身でなくても
受けられるのか。親が元気なうちはよいが、もしものこともあるので受けられればと思うが。
A2 倉敷では、まず、計画相談で関わり、何かあった場合に定着相談に移行している人もいるの
で、この計画相談に乗せてもらうことが必要。
Q3 これまで、支援を利用するとか、切り替え時に計画相談を受ければよいと思っていたし、親
同士の話し合いでも介護保険のケアマネのような対応は障害福祉サービスにお金もないので対応
して貰えないのはではないかと思ったりもしているので、相談員としてどのように説明していけ
ば良いのか。
A3 計画相談のモニタリングとは、毎月とか三ヶ月、六ヶ月という人もある。ケースバイケース
で計画の見直しすることがある。だいたいが、サービス事業所でサービス利用計画を綿密に立てて
いるところが多い。毎日毎日の人もあれば、六ヶ月の人もいる。
Q4 見直しは六ヶ月でよいのか。
A4 入所の人は基本一年に一回。他は六ヶ月の一回が原則となっている。

7 その他

《昼  食》

8 情報交換(分散会)

 702会議室(備前市、瀬戸内市、赤磐市、和気町)

 703会議室(岡山市、玉野市、加賀郡)

 704会議室(倉敷市、総社市、都窪郡)

 302会議室(笠岡市、井原市、浅口市、浅口郡、小田郡)

 301会議室(高梁市、新見市)

 301会議室(津山市、真庭市、美作市、久米郡、苫田郡、勝田郡、真庭郡)

 平成27年度岡山県知的障害者相談員協議会総会

1 開  会  総会資料
2 会長挨拶

 岡山県知的障害者相談員協議会高田会長から午前中の研修会に引き続いての総会でお疲れのことだが総会への協力をお願いし開会挨拶とした。

3 議  事

  議長選出  規約第8条の規定により、高田会長が議長となる。
(1)平成26岡山県手をつなぐ育成会との共催・参加等事業状況報告並びに収支決算報告について 
                                  高野事務局長
(2)監査報告について

                     笠原監事
(3)平成27年度事業計画並びに予算について  高野事務局長
(4)役員改選について         難波副会長提案
(5)育成会県大会(岡山大会)の第1分科会の運営について  岡野県育成会副会長
(6)平成27年度地区別研修会について  岡野県育成会副会長
(7)その他

4 閉  会 

 難波副会長から最後までお付き合いをいただいた行政のみなさんにお礼を、地域のそれ
ぞれで我々相談員として活動したいと述べ、閉会挨拶とし、散会。