第69回 総 会
平成28年度の臨時総会並びに研修会が、岡山きらめきプラザの401会議室において13:00~15:30まで開催された。 総会開催要項
1 出席数確認
高野事務局長から、会員数359名に対して本日の出席数96名、委任状158名で254名であるので、総会が成立していることを報告
2 開 会
3 会長挨拶
一般社団法人岡山県手をつなぐ育成会日下 功会長が、開会挨拶として、まず新年の挨拶とこれまでの県育成会に対する支援に対してお礼を述べ、総合支援法 の見直し、障害者差別解消法の施行と地域協議会の設立と神奈川県での殺傷事件にも触れ、また、県育成会として二つの大きな大会として全国手をつなぐ育成会 連合会事業所協議会の全国研修会が岡山で開催され300名を超える参加していただいたこと、11月には県大会を昨年に引き続き、一般大会と本人大会と別々 での開催で540名の参加くださったことへの感謝の意を表し、来年度は玉野市において県大会を開催する予定で準備を進めているので、一層の協力をお願いし たい。本日の総会では、急なことではあるが、県育成会の近年赤字続きであるので、財務検討委員会を昨年5月から設置し、鋭意財務会計について調査検討いた だき、会費の値上げをお願いしているので是非ともご理解いただきたいということと、総会後には、研修会を予定しているので、最後までご参加を賜りたいこと を述べ、開会挨拶とされた。
その後、高野事務局長からこの総会への祝電があったことの紹介があった。
4 議長並びに議事録署名人の選出
高野事務局長から、事務局案を提示し、原案通りで承認され、議長として荒井幸治理事、議事録署名人として渡邉、藤林理事が選出された。
5 議 事
(1) 第1号議案 会費の値上げについて 第1号議案資料
まず、財務検討委員会のメンバーとして、桂木、福田、村上、徳田の紹介を行い、これまでの検討委員会の審議経過を報告。
次に、配布資料とパワーポイントにより、財務検討委員会においてこれまの10年間の岡山県手をつなぐ育成会一般会計の経常収益・支出と収支差額の推移、 過去からの財務削減状況、今後の検討課題などについて説明があり、来年度からの収支均衡を図るためには、下記の通りの提案があった。
・会費の値上げとしては、来年度から地域親の会、施設家族会、支援学校PTAの構成員一人当たり年額の500円を、200円値上げして700円とする。
・今後の検討課題として、構成員数の確実な把握、個人会員会費、個人会員と団体会員の資格、地域連絡協議会の助成金、専門委員会のあり方並び今後の財務会計の推移などを継続して調査する。
質疑
Q1 倉敷マスカットの会 金邊
地域親の会、施設家族会と支援学校PTAのみの会費値上げとなっているが、その他の会費値上げ並びにこれまでの値上げの経緯について説明してもらいたい。
A1
過去の値上げについて先ほど説明したが、構成員の値上げについてのみ記録として残っている。個人会員についての値上げについても財務検討委員会の中でも 検討されたが、今後の検討課題とさせてもらった。それと本人の会が次々とできている。これについても長年会費徴収について本人の会代表者会でも議論してき ているがまだ煮詰まっていないのが現状である。
Q2 倉敷マスカットの会 金邊
4円会員について見直しとか、働きかけや、小規模事業所の会費の見直しについても教えて欲しい。
A2
4円会費を支払ってもらっている地域育成会は、この県育成会が発足当時に支援学校や支援学級設置の運動のために県内の不特定多数の市町村住民などに働き かけて作ったもので、集まった資金を算定してみる一人当たり4円ということであったので、これを引き続いている。ただ、現在では、特別支援教育が充実した こともあり、使命は終わったということから解散してきており、これを矯正することは難しいと思っている。ただ、一般啓発としては今後も働きかけていきた い。事業所協議会は全国組織での会費ともで10,000円収めてもらっており、この中に県育成会へ2,000円が含まれている。また、県相談員協議会から も一人当たり2,000円もらっているが、それぞれの組織に重なる人もいるので、現状では値上げするつもりはない。
Q3 ひかり学園の家族会であり相談員 青山
経費の即限は徹底的にされているが、会費の収納率はどうなっているのかということと、地域連絡協議会の助成金総額と地域によっては残金があるということであるがどうか。
A3
財務検討委員会でも各団体の構成員数の確認が十分できていないとの指摘があった。構成員数について、毎年構成員届けで毎年各育成会など傘下の団体に依頼 しているが、全て回答いただくことができていない。そこで、今後は、会費の納入によって構成員数の確定としてはどうかと財務検討委員会では考えている。こ れに基づくことになれば未収はなくなると思う。地域連絡協議会の助成金の総額は300,000円である。地域連絡協議会によっては 20万円の残額が出て いるところがあるし、全て支出できているところもある。当初は一律3万円ずつ支給していたが、福島副会長の肝いりで、各地域連絡協議会のあり方や会員数や 活動状況により配分するように改めて支給しているが、それぞれの団体での活動状況や役員の病気などで十分な執行ができていないところもあるのて、それらの 状況を見て考えていきたい。
補足として
・地域連絡協議会によって、印刷費などそれぞれの傘下の団体で負担しているため、残金が出ているところと、岡山地区のように大きなところでは、通信費や印刷費が膨らんできているところもあるので、それらも勘案して検討したい。
・専門委員会にして、地域連絡協議会としても活動するためには資金が必要となる。どうしてもあるだけの資金の中で活動しようというマイナス思考で活動することになる。そこで、育成会活動を活性化するためにも会費の値上げをお願いしたいと思っている。
Q4 ひかり学園の家族会であり相談員 青山
支援学校のPTAについて会費の値上げが必要なのかどうかをお聞きしたい。
A4
実は、支援学校のPTAについては、値上げをしたくなかったのではあるが、先々の財務状況を考えるとお願いしなければ ならないかなと思ってさせていただいた。県育成会として昨年度から、組織委員会においても支援学校を訪問し、育成会活動にして理解を深めてもらう働きかけ をしており、先だっては岡野副会長さんと新見地域連絡協議会では健康の森学園支援学校のPTAとの懇談会を開催している。他地域においてもそれぞれの支援 学校PTAへの働きかけをお願いしているところである。
Q5 倉敷マスカットの会 金邊
メールアドレスの届けをしてもらって、メールで配信すれば経費の節減になるのではないか。
A5
以前から、構成員届けの中で、メールアドレスの報告をお願いしているが、回答がない。今後もお願いする努力はするつもりである。ただ、メールもないし、FAXもないところもあるので、その実情も知ってもらいたい。
財務検討委員からの補足
・この10年間事務局員の給与は上がっていないのに、社会保険や労働保険は値上がりしており、実質的には減額となっていることも理解してもらいたい。
・これまで、説明の中で、経費節減について努力してきたことを報告しているが、会報などのページ数や冊数の削減をしたままで良いのか、活動を縮小して良いのか、また、郵便の値上げや消費税の値上げも予想されることもあることも含めて考えていただいたい。
以上、質疑がなくなり、議長の方から採決を求め、全会一致で原案通りで承認された。
(2) その他
岡野副会長から
・この度の総会出欠のハガキに要望欄がその中に一つだけ要望があった。
・その内容は、「障害基礎年金の不支給割合」について新聞で各県バラバラになっているという報道があった。岡山県は全国の中であまり多くなく33番目であった。高いところと低いところで6倍の差があった。
・厚労省では検討委員会を設けて8回委員会が開催され、平成28年の9月にガイドラインが出た。その中では医師の診断が最優先されていたが、それに生活や 就労状況の情報を入れながら判定しようということになっているようである。医師が診断するときに本人、家族や支援者に情報提供をもらう様式もできているそ うである。障害のある人の実際の状況や困り感なども加味することができるようになったかなと思っている。
・県育成会としては、毎年6月に全日本育成会に、11月に県議会へ要望を提出しており、その中に障害基礎年金の増額を訴えてきている。
・今後とも、要望があれば、県育成会へ上げていただきたい。
6 研 修
テーマ「障害者の高齢化問題について」
講 師
社会福祉法人岡山市手をつなぐ育成会 副理事長 松永博子氏
・我が家には、58歳の知的障害のある息子がいる。
・現在、息子は社会福祉法人岡山市手をつなぐ育成会の就労支援A型事業所である西部リサイクルプラザで働いている。
・これは、岡山市内の各家庭から出る新聞、雑誌、ビンやペットボトルの選別に汗と埃にまみれながら頑張っている。
・息子に障害があると知ったときには大変つらい思いをしました。
・当時は、学校教育も満足受けられない。ましてはその先のことなど真っ黒闇であった。
・ちょうど、学齢期を迎えた昭和40年に岡山大学教育学部に附属養護学校が新設され、運よく入学することができた。
・息子がランドセルを背負って学校に通い、教育を受けられるという喜びは、今思い出しても熱いものが込み上げてくる。
・学校卒業後、現在まで40年間働いてこれたのも、本人の頑張りと家庭の支えは言うまでもなく、12年間の学校教育の中で生きていく力を身につけていただいた賜物だと、教育の素晴らしさに感謝いたしている。
・私は、同じ悩みを持つお母さんたちと出会い、全国組織の親の会「手をつなぐ育成会」のことを知り、一緒に活動してきた。
・親の会の活動は、障害のある子供のためにと、親が起こした運動で、教育、福祉、医療、労働、社会参加の分野で様々の制度を作る力となってきた。
・教育の場をと養護学校の設立を目指して関係機関に働きかけ、卒業後の受け皿として作業所作りに奔走した。
・また、岡山市から資源化物分別業務を始め、ふれあい公社から館内の清掃業務も受託し、働きたいと言う願いを持ったこの人たちに働く機会を提供し、働き続ける環境に整えてきた。
・障害者が地域で安心して生活することを目指して平成12年12月社会福祉法人を取得し、在宅支援の充実、就労の場の確保、障害者本人の高齢化への支援体制など整備を進めているところである。
・無我夢中で頑張ってきた。気づくと私もちょうど80の坂の登り口に立つ歳になった。
・今、息子は福祉ホームで暮らしている。住み慣れた地域で仲間がいて楽しそうである。一番楽しいのは、多分母親の小事を聞くことがないことだと思う。
・彼に苦手としているところを支援してもらい、常にサポートセンターと連絡をとりながら、週末は我が家で過ごしている。
・住み慣れた地域で快適な生活を送っており、8年になる。
・息子が65歳になると、障害福祉サービスから介護保険制度に移行しなければならない。
・今までの生活がどのようになるのであろう、親として不安でたまらない。
・私は、息子の今後の暮らし方について考えた。
・高齢になると、病気も多くなり、どんなことが起きるか分からない。できることならば今のホームで暮らせさせたいと思っている。
・この人たちは、人をあまり支えることはできず、むしろ支えられて生きることが多いかもしれない。しかし、全く支えられると言うことで生きていくというだけではつまらないと思う。
・豊かな暮らしというのは、頼りにされているという気持ちが持てると言うことではないか。
・このことは、私たちも同じで、生きがいにつながることだと思う。
・幸いにして、ホームと我が家は距離も近く、朝ホームの部屋を掃除したり、洗濯したりして、我が家に来る。彼の趣味とするところの鉄道模型で時間を過ごし、買い物に行ったり、母親の手伝いをする。彼は元気で、力持ちなので、年老いた私どもも助かって頼りにしている。
・最近、私も歳とともにペットボトルの蓋がなかなか開けにくいなど、いろんなところで歳を感じるが、彼はすっと開けてくれる。感謝すると照れくさそうな顔をしてニヤッと笑う。これがたよりにされている感じではないかなと思う。
・時には街に出かけて遊ぶ。旅行もする。また、地域には高齢者の通所介護デイサービスがたくさんできているので、息子に適したデイサービスを利用したりしてメリハリの暮らしができるようにと考えている。
・専門的な立場の人と相談し、支援計画を立てていくことも必要かと思う。
・今、障害者総合支援法の見直しがなされている。障害のある人たちの暮らしが今よりよくなるように改善されるように期待している。と同時に必要な制度が作られるように行政に働きかけていく必要がある。
・これは育成会の大きな役割ではないかと思っている。
・私は、今A型を利用している息子がもし仕事ができなくなった時には、他の事業所を使うというのではなくてゆっくり過ごすことができたら良いと思っている。
・以上、今、私が思っていることを申し上げた。ありがとうございました。
質疑
Q1 和気町手をつなぐ親の会 延藤
岡山市では、息子さんが65歳になると全て介護保険に移行するのか。65歳になっても介護認定が受けるほど障害がない場合もあるので、和気町では障害福祉サービス利用は継続するようにしてもらうことにしているのだが。
A1 岡山市だけでなくてもどの市町村でも介護保険に移行する。今度見直されるのが、65歳になっても本人の状況によってそのまま福祉サービスを利用することが できることになっている。介護保険に移行すると本人負担が出て来る。まだはっきりとしたことにはなっていないが、負担の軽減策が考えられており、一旦支 払って後、還元されるようである。現在、息子は福祉ホームを利用しているが、もしも病気になったりすると利用できないことになるので、そのあたりも是正し てもらいたいと思っている。
岡山県保健福祉部障害福祉課障害福祉サービス班 総括参事 高槻貴子氏
・本日、私の資料として二つ用意している。一つは「高齢の障害者に対する支援のあり方について」もう一つは、「公的介護保険制度の現状と今後の役割について」である。
・皆様方の障害者が65歳になるとどうなるのかということで、度々65歳問題ということで新聞紙上などで話題になっているとか、皆さん方からご意見を頂戴しているところである。
・今回、65歳になって介護保険はすぐに使わないこともあるけれど、やはりだんだんと歳をとると機能が衰える。これは障害があろうとなかろうと誰でも機能は衰える。
・そうすると、人生の最後にもしかすると介護保険のお世話にならないといけないかもしれない。これは誰もが考えることである。
・皆様方は障害福祉サービスについては、詳しいと思う。でも介護保険制度が現状ではどうなっているのかということも知っておくこともいろんなことの中では役に立つのではないかと思い、介護保険制度の資料を用意した。
・最初に障害の方の資料の二コマ目に論点整理というのがある。
・そこで一つは利用者負担について示されてる。これは生活する上で直接響く問題である。
・一番下の丸ぽつで、障害者総合支援法の第7条における介護保険優先原則というのが問題になっている。
・これがあるためにサービスの利用形態が変わるということになるのである。
・これを一枚剥ぐっていただくと、総合支援法で介護保険優先原則というのがどのように書いてあるのかというと、三コマ目のところを読むと「第7条 自立支 援給付は当該障害の状態につき、介護保険法の規定による介護給付ーちょっと飛ばしてー4行目の自立支援給付に相当するものを受け、または利用することがで きるときはー最後に行ってー行わない」ということで、介護保険で、自立支援給付に相当するものを受ける、または利用することができるときは介護保険を使っ ていただくことで自立支援給付は行わないのだということが、ここに書かれている。
・ここを、これは悪法だと、撤廃してくれと度々言われているが、今回の30年度の制度改正でもこれは行われていない。
・ただし、サービスのあり方については、色々と改善点はあるかと思う。
・皆さん方にとって十分ではないと思われるが、18年に自立支援法ができてから、現在27年、それから30年の見直しが行われるが、進歩してきている。
・一歩一歩進歩してきたのも、皆様方が声を上げ続けてきた成果だと思っている。
・そして、介護保険の優先順位ということが、一律機械的に行われているというような実態があった。ということで、ここの四コマ目でこれが介護保険制度と障害福祉制度の適用関係通知ということで平成19年度に出されている。
・この中で、「社会保障制度の原則である保険優先の考え方の下、サービス内容や機能から、障害福祉サービスに相当する介護保険サービスがある場合は、原則介護保険サービスに係る保険給付を優先して受けることとなる。」
・ここが、一律機械的に65歳になると介護保険を受けてくださいよというような指導があって、いやいやそうでなく介護保険制度の中で全て完結することでな く、障害福祉サービスの独特のもの、介護保険にないサービス、また、介護保険に移行するとサービス量が大幅に減少するなどの問題があれば、今までの障害福 祉サービスを上乗せさせたり、例外として運用することができるのに、原則論で移行しているところがあるので、そうではないよというのがこの適用関係通知で ある。
・六コマ目に負担限度額があるが、平成22年から低所得の2までが0円となっている。一般1というのを収入換算で600万円以下の世帯となる。であるので、ほとんど負担があまりかからない仕組みになっている。
・ほとんど低所得1または2となり、負担額がないというほとんどだと思う。
・介護保険になると低所得の1は15,000円。低所得の2は、24,600円。というようなことで負担が変わると言われる。これが利用料の問題である。
・かつ、所得だけでなく、世帯という考え方がある。障害福祉サービスでは、平成20年度から障害福祉サービスの負担額については世帯全体でなく、本人及び配偶者のみの所得で判断するとなっている。
・しかし、介護保険では世帯全体の所得の状況で判断するとなっている。障害者の場合も障害者と障害児では取り扱いが異なる。
・障害者が高齢になり、介護保険を使うようになることを想像すると何が一番重要になるのかというと、繋ぎ役である。相談者である。
・11コマ目を見ていただきたい。相談支援専門員と介護支援専門員(ケアマネジャー)などとの連携である。
・介護保険への円滑な利用をするには相談支援専門員さんとケアマネジャーさんがしっかり連携して、今での暮らしを支えていた状況、これからの生活をどうしたいかということをよく相談して総合的なケアプランを作って支えていくことが必要になろうかと思う。
・となると、相談支援専門員がケアマネジャーに相談しようとしても介護保険について知っておかねばならない。ケアマネジャーが引き継ぎを受けようとすると今までどのような暮らしをしていたのか、障害福祉サービスを知っておかねばならない。
・であるので、これらの連携のあり方も大変重要なことになっていくことになるのかなと思っている。
・そこで、県としては、ケアマネジャーさんには障害福祉サービスについて、障害者相談専門員のみなさんには介護保険について理解をしてもらう研修を行なっている。
・現在の障害者の利用の状況を、16コマ目で見ていただきたい。介護保険のサービスを受けれる時は、要介護とか要介護支援の認定を受けてなければ利用でき ない。また、障害特性のための同行援護、行動援護は、介護認定が出ていても利用できない。介護保険のサービスにはないものである。
・障害者の居宅介護が、介護保険では訪問介護となっている。介護保険の認定になっても障害特性により、同行援護や行動援護は利用することができる。
・16コマ目を見てもらうと平成22年五月と平成27年三月のデータがあるが、同行援護が60.7%となっている。というようにこれは介護保険にないサーヒズであるので、割合が高くなっていることがわかるのではないかとも思う。
・中程に施設入所支援というのが、20,1%となっている。元気であっても施設で暮らしていくことができるということもこのデータでは表していると思う。
・障害のある人の高齢化ということで19コマ目を見てもらうと心身機能低下と障害福祉サービスというような形で加齢による心身の機能低下を就労系と生活介護系のそれぞれについて示されている。
・どうであれ、だんだんと年を取ればできていたことができなくなる。そして状態状の変化から住まいが変わることがある。例えば自宅で暮らしていたのが、グ ループホーム、福祉ホームで暮らしていたのが、いろんなことから住まいを変えなければならないということがある。住まいを変えるときに、障害者総合支援法 でいうと障害者支援施設、そして加齢がまだ進むことによりできなくなると介護保険の中の住まいの場として、介護老人施設、多いのは特別養護老人施設など利 用するということになる。
・住まいを変えるというのは、障害のある方だけではなく、高齢者でも自宅から特養に移るとかとなると生活態様が変わるので、どうするのか、また、サービス の利用形態も変わってくる。このような時にどのようにするのか、というようなことなど、将来像が見えなと不安になる。ということで、ちょっと介護保険制度 について説明したい。
・「公的介護保険制度の現状と今後の役割」という資料でお話ししたい。
・まず、現状の介護保険がどのようになっているのかを理解していただきたい。
・現在、障害福祉サービスと同様に介護保険も30年度改正に向けて動いている。
・新聞の方でも介護保険の3割負担が話題になっている。介護保険はこれまでずっと1割負担であったが、27年の8月に2割負担が出て、さらに今では3割負担が検討されている。
・ただ、これがどのようになるのかはわからないので、障害福祉サービスについても今日本当に制度改革の中で福祉サービス事業所が介護保険事業所になりやす くなる仕組みであるとか、例えば利用料も65歳になっても最重度の方で一定の期間障害福祉サービスを利用されていた方は1割負担で支払うが後から償還され るという仕組みの概要は出ている。
・だが、概要の中身については、政省令が出て見ないとわからないので、今時点で私の方で得ている情報はあまりない。それよりも団体さんの方が目新しい情報 を得ている場合があるのではないかと思うが、今後まだ変わる恐れもあるので詳しいことはお話しすることはできないの現状の理解で持ってお話ししたい。
・1ページ剥ぐって貰って、介護保険制度は2000年(平成12年)に施行されている。障害者自立支援法は平成18年の施行となっている。6年早い。したがっていろんな制度が6年遅れで進んでいる。
・もう一枚めくって貰って、介護保険の基本的な仕組みについて説明したい。介護保険制度と障害福祉サービスの違いは、介護保険と言われるように保険料と税金で賄われている。福祉サービスは税金で賄われている。
・では、保険料を収めるのは誰なのかというと加入者(被保険者)として第1号被保険者・第2号被保険者とある。第1号被保険者が65歳以上。第2号被保険者というのが40歳から64歳までの方。40歳になるとみなさん介護保険を払いようになっている。
・この介護保険は市町村が運営している。市町村が運営しており、第1号被保険者の保険料が住んでいる地域によって異なっている。もう1ページはぐってもら うと11コマ目の介護保険被保険者が示されているが、65歳以上の第1号被保険者の保険料負担があるが、原則年金から天引きということになっている。介護 保険を使っていないのに年金から天引きされけしからんと言われることもある。保険を使おうが使うまいが一律天引きということになっている。
・第2号被保険者は医療保険と一括徴収という仕組みになっている。働いている人は事業所の方で引かれている。
・12コマ目を見てもらうと、介護保険は三年毎に見直しを行なっている。よう三年毎にお金がどのくらい必要であるのか、計算し、被保険者数で割って保険料を決めている。たくさん利用されれば当然保険料が上がってくる。
・一番最初は全国平均で2,911円であったものが、現在は第6期で全国平均では5,514円。全国平均と言っているが、市町村により異なる。岡山県でも8,000円のところから5,000円を切るところもある。住む所により異なる。
・これが2025年の団塊の世代の方が75歳を迎える時には8,000円を超えるだろうと見込まれている。実際はその年にならなければわからないが。そういうことで介護保険ではサービスを縮小している。
・なぜ、切り捨てるようにしているかというと持続可能な制度にするためには、サービスと財政とのバランスを取りつつ、どこまで介護保険制度で支えるべきか、制度改革が進められている。
・13コマ目には第1号被保険者が低所得者の能力に応じて保険料の負担をしてもらうようになっている。岡山市で保険料が6,000円となれば、6段階の1.2を掛けて算定される。
・そこで、消費税をあげることによって、負担を抑えようとしている。
・介護保険サービスの利用については、17コマ目となっているが、ケアマネによりサービス利用計画を立ててもらう。要介護になるか、要支援となるかの判定によりサービスを利用するようになる。
・ここに示されている総合事業が注目されている。というのは、介護予防・生活支援サービス事業の中の訪問系サービスや通所系サービスがこれまで介護給付であったものが、市町村の総合事業に位置付けられる。
・したがって、給付は全国一律であるが、市町村事業となればそれぞれの市町村により取り組みが変わってくる。
・障害福祉サービスの場合は、総合事業から個別給付へ移行しているが、介護保険はその逆に向かっている。
・19コマ目は、介護サービスの種類となっている。半分から前は、県と政令市、中核市が担当するところと、右端は市町村が行うものに別れており、上下で上 半分は介護給付を行うサービスで下半分が予防給付を行うサービスとなつている。要支援1,2の人が使うのが下の部分になる。施設サービスは要介護の人でな ければ使えないようになっている。それ以外は、介護予防訪問サービスというのがあるが、これは障害福祉サービスの居宅サービスに当たるが、これや通所サー ビスが市町村の総合事業に移ることになっている。29年から要支援の人が全て事業に移行することになる。
・障害者福祉サービスと比較してみて、同行援護、行動援護や就労系のサービスは介護保険制度にないので、相談支援相談員に相談して利用すれば良いと思う。
・22コマ目をみていただきたい。介護保険に区分支給限度基準額というものがある。障害福祉サービスにおいては種類や量について市町村が一人一人決定し、 その上限まで使うことができるようになっている。介護保険では要介護認定が出るとは自動的使える限度額が決まってくる。これがこの表である。要介護1にな ると支給限度額は166,920円。要支援1となれば50,030円となるとなっており、自己負担として、支給限度基準額を超えた部分は100%本人負担 で限度内基準額であれば1割、高額所得の人は2割と居住費、滞在費と食費、日常生活費の負担となる。
・高齢になり特養に入るには、これまでの障害の場合であれば費用負担がなかったが、特養で費用を負担しなければならないことになる。最低でも月額15,000円を年金から支払わなければならなくなる。
・重度者でかつ低所得者に対して補足給付という形で償還しようという改正が行われようとしている。この場合の最重度とは、低所得とはについてはまだ詰められていない。
・25コマ目に特養の入居費用が示されている。これらの費用について、最重度で低所得者について償還されることになるようである。
・介護認定と障害認定の段階は同じようなのであるのだが、障害の資料の59コマ目を見てもらいたい。この中で見ると区分5であっても要支援1,2という人もある。障害の状況の捉え方によって変わってきている。
・そういうことから、相談支援専門員とケアマネージャーと十分に情報交換をしながら、適切な処遇を考えていく必要がある。
・最後に障害の資料の4コマ目の「障害福祉サービスの種類や利用者の状況に応じて当該サービスに相当する介護保険サービスを特定し、一律に当該介護保険 サービスを優先的に利用するものとはしないこととする。」そして5コマ目の「当該障害福祉サービスに相当する介護保険サーヒズに係る保険給付の居宅介護 サービス費等区分支給限度額の制約から、介護保険のケアプラン上において介護保険サービス飲みによって確保することができないと認められる場合」において は、障害福祉サーヒズを上乗せして利用することができる。
・また、「利用可能な介護保険サービスに係る事業所又は施設が身近にない、あっても利用定員に空きがないなど、当該障害者が実際に申請に係る障害福祉サービスに相当する介護保険サービスを利用することが困難と市町村が認めた場合」にも利用可能と示されている。
・次の「サービス内容や機能から、介護保険サービスには相当するものがない障害福祉サービス固有のものと認められるもの(同行援護、行動援護、自立訓練 (生活訓練)、就労移行支援、就労継続支援等)については、当該障害福祉サービスに係るかいごきゅうふとうを支給する。」と示されており、介護保険と併用 して障害福祉サービスも利用できる。
・詳しいことは、市町村窓口や相談専門支援員やケアマネに相談することが大切である。
・以上で説明を終わる。ご静聴ありがとうございました。
質疑
Q! 福田
65歳問題で家族は大変心配している。国の方にしっかり働きかけてもらいたい。
A1
現在、障害福祉サービス事業所が介護保険事業所の機能も持つようになりつつある。65歳を超えてもその事業所で引き続き支援ができる制度になるのではないかと期待しているので、皆さん方もしっかり要望していただきたいと思う。
8 報告並びに連絡事項
報告事項については、要項の通りであるのでご覧いただきたい。
9 閉会挨拶
岡野茂一副会長から、別添の新聞資料である久保会長の後援と平成29年度からのデイサービスとA型事業所の見直しについての説明の後、ご多忙中出席していただいたこと、会費値上げの議決へのお礼を述べ、閉会挨拶とされた。