第1分科会 テーマ「療育・教育・就労」
会場 5階講座室 参加人数 45人
貴重提案者 岡山県立誕生寺支援学校 校長 佐藤 一法
運営責任者 岡山県知的障害者相談員協議会 高田 典洪
司 会 岡山県知的障害者相談員協議会 澤田 良江
司 会 岡山県知的障害者相談員協議会 近藤 直子
提 案 者 岡山県知的障害者相談員協議会 藤井 明子
提 案 者 岡山障害者就業・生活支援センター課長 大月 政和
記 録 者 岡山県知的障害者相談員協議会 海野 啓子
高田運営責任者から、分科会日程、会場の諸注意などを説明し、澤田、近藤さんの司会で開会した。
基調提案「つながりあうキャリア教育~地域から学び、そして貢献へ~」
岡山県立誕生寺支援学校 校長 佐藤一法 氏
提案要旨
・つながりあうキャリア教育が誕生寺支援学校の目的である。
・現在、県内の支援学校は16校ある。
・就労は、以前は20%であったが、29年度には40%を目標としている。
・誕生寺支援学校は、二つの校地 誕生寺校地と弓削校地
・弓削校地は、県立弓削高校跡地に開校 職業課を設置
・以前は全県学区であったが、現在の学区は美作地域
・職業コースができて8人おり、自主通学が基本だが、寄宿舎利用もある。
・職業コースでは教科を設けている。就労による社会自立を目指す。
・寄宿舎では、自立度を高めるために朝食を自分で求めるなど将来グループホームでの生活への移行も視野に。
・コミュニティワークの取り組み。
・地域に出向き、他人の中で頑張るよう指導
・津山線弓削駅に町がアンテナショップを設置しており、実習に利用。
・職業コースに生産コースがあり、外部講師を招いて良い方向に進めるようにしている。
・見通しが持ちやすい日課にし、木工、焼き物、園芸、農耕などを先生がいなくても自分から動けるように。
・20年前は、職がなかったが、最近は実習先に困ることなく、求人もある。
・最近は地域の人とのつながりながら子供達の成長と笑顔が見えるようになっている。
以上、レジメに沿って詳しく説明された。
提案1「はたらく~重度知的障害を伴う自閉症の我が子の一般就労への取り組み~」
倉敷市知的障がい者相談員 藤井明子氏 配布資料
・パワーポイントでわかりやすく子供さんの成長を話していただいた。
・子供の時から、少しでも上の目線でレベルをあげていくこと。
・世の中の人とつながること。
・就職につながる、そして地域の見守りなどのシステムの構築。
・前向きでエネルギー溢れる母親に感動。会場にお父さんもおいでくださり、会場のお手伝いもしていただいた。
・二人三脚。我が家も見習うべし、感謝!
提案2「障害のある方の就労に係わる現状と課題(障害のある人たちが生き生きと働き、地域で安心して生活するために)」
岡山障害者就業・生活支援センター 課長 大月政和氏 配布資料
・レジメ通りに優しい語り口で説明いただいた。
・岡山障害者就業・生活支援センターの名称が長いので、ナカポツセンターと略して言われる。
・雇用は右肩あがりとのこと。
・重度の方も働け、サポートすることが大切。
・少子高齢化社会を乗り切るには、障害のある人も活動できる世の中であるべきと語られた。
質疑
Q1 発達障害の人の就労への課題について、若い母親たちにも障害のある人たちが働く意識を育てていくことが大切と思う。また、ハローワークで障害のある人が働くためのアフターフォローしていく場があると良いがどうか。
A1 企業が採用を増やすとその雇用を通して会社の組織も強くなっていく。会社へのサポートが大切。
Q2 みどり学園の方から、ヘルパーの利用について
A2 小学部から福祉課へ行き申請する。そして事業者と契約。交通機関の利用のマナーも教えることも大切。子供を知ってもらい、助けを求める方法を探る。いろい ろな方を巻き込む。伝えること、理解してもらうこと、すぐに形にならなくてもアピールしていくことが大切。勇気を持つこと、親だけでは困ることになるの で、将来のことを少しすづ気にしつつ、情報を取り入れること。
Q3 寄宿舎について
A3 自立度は上がるが、親とともに過ごすことも大切。親子の関係を作っているかが大切。学校の間は子供の様子を把握して、教師との信頼関係を築いていくこと、そして、先生方もスキルアップしていくこと。
Q4 余暇活動について、スキルアップについて
A4 親がセッティングしていくことが大切。
Q5 職場の定着率について
A5 いろいろと原因があり、本人の場合、職場との関係、一般の人でも定着率が6割ぐらいなので。おたがいが感謝することが大切。
Q6 就職するまでの苦労について
A6 まず、倉敷市内で探していたのだが、ありませんでした。でも一般就労に向けて頑張るという思いから、福山まで何度も指導の方が行って働きかけてくれたの で、エブリイという事業所に巡り合った。支援の方が今までと違い、長い目で見ること、分業やチームワークでの作業で成り立つことを考案するなど、職場の皆 さん方からこうしようと知恵を出してくれた。雇用する側の見学も絶えなようだ。
Q7 就労ばかりでなく働けない人はどうされているか。
A7 就労継続B型や生活介護の事業所へ。重度の方は医療的ケアへ移行する人も。また、毎日でなく2~3回通所している人もある。
まとめ 佐藤一法氏から
・若いお母さんと昔のお母さんとつながること、そして働くことは大切。
・親の意識と学校の工夫、安全な道へと親は考えるが、働ける人のみでなく働いていける方法を工夫していくのが学校の役割である。