一般大会
一般大会
1 開会あいさつ
アトラクションの後、「コール総社」の皆さんの先導により、「手をつなぐ母の歌」を会場の参会者とともに斉唱して開会行事に移った。
岡山県手をつなぐ育成会徳田会長から、本年2月に念願の国連の障害者権利条約が発効、関連法制の成立については、 我々障害者団体が運動した成果。こうした制度改革により障害者福祉が推進されているが、どこでもいつでも同じような福祉サービスが受けられるはずであるの に、市町村の財政力や社会資源により格差がある。これを克服するためには我々当事者団体が力を尽くさねばならない。本大会では、「誰でも安心して暮らせる 地域社会の充実」というテーマの下に、総社市の片岡市長さんによる「障害者の千人雇用」の講演と午後からは「知的障がいや発達障がいの方々へのライフス テージを支える総社の取り組みとこれから」と題してのシンポジウムが行われるので、これを参考にして県内各地での育成会活動に役立ててほしいとの大会の趣 旨を述べ、本大会に対してご尽力いただいた総社市手をつなぐ育成会をはじめ、総社市の関係団体の皆様へ謝意を表し開会の挨拶とした。
2 功労者、奨励者表彰
次に、事業所勤務者7人を代表して津山みのり学園社会就労センターワークスみのりの内田三穂子氏と協力者、保護者、相談員、施 設長、学校・施設職員85名を代表して吉備路学園家族会の宮下郁世氏に表彰状と記念品を贈呈した。
3 来賓あいさつと紹介
木幡 浩岡山県副知事 |
小田圭一岡山県議会議長 |
片岡聡一総社市長 |
ご多用のところ、19名の来賓の皆さんがご出席くださり、来賓の皆さんの代表として木幡 浩岡山県副 知事と小田圭一岡山県議会議長さんに祝辞を、片岡聡一総社市長さんから歓迎挨拶をいただいた。また、祝電とメッセージを岡山県社会福祉協議会山岡会 長と加藤勝信、平沼赳夫衆議院議員、小野、江本県議会議員の皆さんからいただいた。
4 受賞者謝辞
受賞者を代表して株式会社サンディ サンバーク新見店に勤務する平 優美さんが謝辞を述べた。
以上で開会行事が終了し、本人の皆さん全員が総社市総合福祉センター移動して本人部会が開催された。
5 講 演
演題「障がい者千人雇用~障がい者が自立すれば、みんなが元気になれる~」
講師 総社市長 片 岡 聡 一 氏
・総社市長選で落選したときの苦労話で口火を切り、当選後になぜ障がい者の千人雇用を目指したのかを熱っぽく語られた。
・市長になって、何をしたいのかと問われて障がい者政策を行いたいと思った。
・市長になってやりたいことに二通りがあり、施設や道路を建設して自分のモニュメントを残そうとする人と、困っている人の支援をしたいという人がある。
・僕は障がい者施策一本でいこうと決意した。全国て約810の市があり、町村を合わせると3,000位あるが、その首長さんで障がい者のことに重きをおいているところはない。
・私は、障がい者の生まれてから死ぬまでを支える市政を行いたいと思っており、現在は特に就労に力を入れている。
・しかし、市役所には障がい者の職業を斡旋できる権限はない。厚労省が行っているので市としてはやろうとしなかったのは事実。
・それでも総社市で行うことによって北海道から沖縄までの市町村の中でも取り組んでもらうことができるのではないかと思って障がい者の千人雇用をやろうとしている。
・総社市の人口は68,000人にうち4%が障がい者である。96%の健常者の代わりに障がいを受けてくれているのが4%の障がい者である。
・その4%の障がい者のために尽くすというスピリットを持たなければならないと思っている。
・障がい者の3つのステージをとらえて行いたいと考えている。
・1つは生まれてから高等支援学校までの育ちの段階。2つ目は社会参加の段階。それから60から亡くなるまでの段階。
・どうして千人雇用といっているのかというと3年前に市の職員に尋ねると知的、身体、精神の障がい者が3,152人いた。
・そのうち18歳から60歳の人数は1,200人。その中で働いている人は何人いるのかと聞いてみるとわかりませんと答える。
・企業就労する人のカウントは難しいというのだ。よくよく調べてみると180人。そこで残りの人の1,020人の雇用を目指そうと。
・そこで、5,年で障がい者千人雇用を実現しようと決めた。
・ところが、市の職員に話すと「駄目です!駄目です!」と言われる。
・意地でもやろうと思った。その頃の総社市内には就労移行、A型、B型の事業所が零だった。
・あちこちに千人雇用をしようと思うがどうかと尋ねても「うーん」と言われたが、クムレの財前理事長はできるんではないかと言われた。
・千人雇用の有識者会議を設けようということになり、断られるかもしれないと思いながら、旭川荘の江草名誉理事長にお願いすると快く引き受けていただいた。
・メンバーについても江草先生の声かけで集まってくださりスタートすることができた。
・全国の市町村の障がい者の雇用を総社市から変えたいと訴えた。
・朝日新聞はこれに対して市長のパフォーマンスで、実現不可能。健常者でも就職が難しいのにと反論された。これで私は俄然ファイトを燃やした。
・就労・生活支援センターが県内5カ所に設けられているが、総社市にも設置してほしいと厚労省にお願いに行ったが、断られた。
・だが、次の年度はじめに総社市千人雇用センターを立ち上げる際に、全国で初めてのことだからということで厚労書がハローワークから2名職員を派遣してくれることになった。
・市の職員2名とハローワークからの2名の合わせて4名でセンターを開設した。
・そうして活動する中で、商工会議所と障がい者雇用について協定を結ぶことができ、また、議会でも総社市障がい者雇用条例を制定していただいた。
・官民一体と国の後押しで始めることができたのであります。
・その後、職員がコツコツと努力して778人の雇用を達成することができた。もう少しで千人が実現できることが見通せるようになった。
・ものを包むとか、掃除をすると行った仕事だけではなく人の相手もできる仕事の開拓も必要では。
・例えば、ガソリンスタンドなど、お願いすると雇ってくれるところが多い。知的障がい者が健常者に混じって仕事をするときに、知的障がい者が給油するときお客さんから知的障がい者が給油していてレギュラーとハイオクを間違えないのかとクレームがかかる。
・そのためには、燃料やおつりの間違いのないように対策を立てて失敗のないように工夫と徹底を図った。そうした障がい者理解不足を解消するために何度もお願いしていくうちにどんどん理解が進み、多くのお客さんに利用されるようになった。
・倉敷に平成病院があり、そのピハピリ介護士に障がい者を使ってくれないかとお願いしたら、脳梗塞のリハビリに障がい者が介護助手として一人だが使っていただいた。
・これまで、動かないものとか喋らないものとかの仕事でなく、心を通わすことができる仕事にも障がい者をつけるようにして、千人を達成したい。
・精神障害や発達障害の方々の就労はなかなかむずかしい。うちのスタッフが一人一人の要望を聞いて働く意欲があるか、どういうことができるか、どういうことがすきなのかなどを尋ね、それらをもって一軒一軒職場の開拓に努めている。
・ただ、これはできないから止めるというのでは駄目で、それを乗り越えて全力で努力していきたいと思っている。
・まだまだ課題が多く、みんなが賛成していることではない。しかもこの就労についての費用が2億五千万円かかる。
・これを市民や議会の皆さんが理解し、支えていただける。
・だんだんと雇用についての理解が進み、やりやすくはなってきている。
・県外からも千人雇用センターへの視察が多くなっており、全国的に関心が高まりつつある。
・最初は不平不満ばかり。学校の加配の先生を変えてください等との親御さんと喧嘩をしたこともあった。
・この間もある障害児の親御さんから、市長さんあなたには障害児がいないから障がい者の親の気持ちは分からないでしょうと言われた。
・この子は1人で靴下がはけない。支援学校へ行かせるためにも早くしなさい!早くしなさい!と急かして毎日バスに乗せて支援学校を卒業させてもどこにも行 かせるところもないと思っていたが、総社市ではこういう子どもでも就職させてあげると約束してくれたから私もがんばっていけると言われた人がおられます。
・こういう人のために障がい者の雇用にもっともっと力を入れていこうと思っていると決意を述べられ、講演を締めくくられた。
午前の部を終了し、昼食休憩に入り、総合文化センターの周りの公民館や勤労青少年ホームなどを開放していただき、良い環境で食事をすることができ、総社市と総社市教育委員会のご配慮に感謝した。